2013年8月19日月曜日

樋隠しの魅力


   とある宮崎のハウスメーカーの展示会へ行って来た。このハウスメーカーは今宮崎で人気急上昇のメーカーである。通常ハウスメーカーなどは同業者の立ち入りを嫌がる。自分の手の内をさらす事になるからだ。だが実を言うと先月末まで僕は宮崎県は西都市の工務店の所属だったが、日向市の一級建築士事務所に所属することとなった。なので今はその過渡期 (プーではない ! ) なので、まあええやろ。。という事にしてお邪魔してきた。もちろんアンケートの職業欄には建築設計と正々堂々書いた。一瞬だが現場が凍り付いた。だが知り合いがそのメーカーで家を建てたいと言っていた(ホントです。。)なので見に来ましたと言いくるめ入れて頂いた。

   これが実に良いのである。宮崎のハウスメーカーにはないようなセンスであった。ほとんどの壁には木が貼ってあり、実にお高そうだ。だが一つ一つのセンスはとても良く、うまくコーディネートされていた。人気があるはずである。本音を言えば僕もこのように作りたい。だが予算の関係上どこかで削らねばならい場合が多いため、なかなか実際は動きが取れないのが現状である。ふと外観を覗くと屋根の軒の縁の所に、妙な板がついている。なんじゃいな。。とよく見てみたら、雨樋の外側に板が金モノで貼り付けてあった。う~ん、これは樋隠しではないか。。宮崎にしてはこだわっとるじゃないか。。

   建築設計を始めた頃は、それ程でもなかったが勉強すればするほど嫌いになるのが雨樋である。あの横一本入るラインがどうも気になる。またよく見たら水平ではなくじゃっかん勾配がついている。もちろんそれは雨水を逃がすためである。だがその微妙さがこれまた好きにはなれん。。昔のお寺やお城などには雨樋を設けず、地盤を掘って雨はダダ流しである。これが僕らにはすっきりして美しく見えてしまう。やはりこのハウスメーカーの設計士もそこが気になるんだろうと思った。よく分っているじゃないか。。

   樋を隠す方法は色々ある。例えば屋根の軒の出の一部に溝を掘る方法。ガルバニウム鋼板であればその溝を鋼板で捲く。そして縦樋を端に設けて水を排水する。これが一番シックリ見える。だがお勧めはできない。しっかり溝をガルバで捲いたとしても、仮に地震などでくるいが来た場合、小屋裏への浸水の可能性が捨てきれないからである。見た目が良くても、後のことを考えると採用はするべきではないと僕は思っている。

   だが今回のハウスメーカーさんのような樋隠しは小屋裏浸水の可能性はまずない。なぜなら隠し樋がついているだけで、その他は通常の雨樋であるからである。表面の木材は杉であり、その表面だけは塗装であった。まあ10年ぐらい経てば、色落ちが甚だしいだろうが、そこは見ないことにしてあげた。

   鼻隠しという部材がある。これは軒のでに見える垂木の表面を隠すための板だ。もちろん垂木の腐食を防止する役割もある。だがやはり化粧の意味合いもある。だがほとんどのお家の樋は出しっぱ。僕的には隠した方が美しい建物になるとは思うが、どうだろう。もちろん予算的にはばば~んと上がるんだが。。

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坪55万ぐらいかけないと
こだわれないモンです。

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