お城の犬走り |
そもそも犬走りは何のためにあるのか?その昔、日本の屋根には雨どいがなかった。雨はダダもれで地面にぶつかるようになっている構造だった。古いお寺などにはその屋根の外周部の下に穴を掘り、そこへ雨水を受けていた。それが美しい雨水のおさめ方だったからだ。だがすべての家にそんな贅沢はできない。もちろん普通の家々は雨水は地面にダイレクトに落ち、そして地面の土と雨水の混ざった泥水が基礎や壁にぶち当たっていた。この泥水が基礎や壁を汚すし、それに昔の家はコンクリートの基礎ではなく、木の基礎だ。泥水が基礎を腐らせる原因ともなりえた。これらの諸問題を少しでも緩和するために、犬走りはあるといえる。コンクリートの基礎となった現在でも、その名残が残っているので犬走りが使われ続けているわけだ。
こっちの方がいいでしょ |
だが雨どいも標準となった現在の家に、犬走りが必要かと言えばそうでもない気がする。泥水の跳ね返りを防ぐには、砂利やウッドチップをまけば十分抑えることができるし、歩くためだけに犬走りをこしらえるぐらいなら、もう少しおしゃれなウォーキングスペースを設ければ済むことだ。それに防犯上、コンクリートの犬走りは良いとは言えない。少なくとも覗きなどの犯罪には、犬走りよりも砂利の方が音が鳴るので、犯罪者は近づきにくくなるだろう。それに鉄筋が入っていない部分なので、大きな地震などが来たら真っ先に割れてしまうのが犬走りだ。今回の東日本大震災では多くの犬走りが真っ先に割れた。そこに雨水が侵入し、その直下の地盤に水の道ができれば家の下にトンネルができる可能性もある。むしろない方が家には良い気が僕にはしている。
犬走りはコンクリートを打ち込めばできるというものではなく、左官さんがその上を化粧したりするので結構な料金となるもの。そういったところにお金をかけるのなら、他にかけた方が良いと僕は思う。少なくとも周りがそうしているという理由ではもったいない事極まりない。
まあ、作っているんだが。。
良かったら、ご協力下さい。
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