2013年3月24日日曜日

スキップフロアーの魅力

   設計をやっていていると、どうも自分が作る家に癖が出てくる。同じ人間が作るので同じ感じの家になりがちなのはしょうがない。どうも作っていて単調になるのは嫌なので、何かしら新しいカタチを常日頃から求めている。僕が京都で勤めていた設計事務所ではコンクリートの建物を設計するのが多かった。だが僕が住む宮崎ではあまりコンクリートの建物は作ることはない。まあそれに、周りの家々が木造の家が多い中でコンクリートの家を作っても景観としては良くはない。また木造には木造の作り方の決まり事がもちろんあるので、コンクリートの手法は安易には使えない。だがその要素を木造に入れるのは悪くはない。スキップフロアーという手法はどうだろう。

   スキップフロアーとは字のごとく一律に平坦な床ではなく、部分的だが大きく分割されたエリアに段差がある住宅をいう。床に高低差がある事で動きのある楽しい空間が広がるわけだ。木造の家の弱みは大きな空間を作りにくい事だ。それをスキップでカバーする事により気持ちの良い空間を演出できないかと思っている。そのスキップフロアーの床の高低差は様々で、その室の用途によって自ずと異なってくる。あえてフローリングラインを他の室より低くし、子供らが遊ぶプレイルームを作っても良い。もちろん子供らが成長すればそこを勉強部屋にすればよい。またフローリングから1.5メートルぐらいの高さに主寝室を設けてもよい。ベットメイキングが出来ていなくても、他の部屋からは見えはしない。

   実は一度提案してボツになったスキップフロアーのプランがある。それは敷地自体が小さいのだが家族は4人構成。なので収納をたくさん作らないといけないのだが、正直収納だけで結構な広さとなる。だからといって収納をコンパクトには出来はしない。よってスキップフロアーの収納を階段の隣に配置し、2階建ての家に3つのフロアーをもつ 『収納Towerのある家』 的な家を提案した。だがボツだった。理由はお客さんと直接話す機会がなかったので、図面だけ渡したからだ。つまり、よく理解できんかったようだ。まあ3Dのパース図とか提出したんだが、どうもピンと来なかったようなんでしゃあない。。

   もちろんスキップフロアーにはネガティブな面もある。段差があるので、バリアフリーにはとても向いてはいないという事だ。年取った時に大きな段差はしんどいだろう事は簡単に想像できる。また空調計画が難しいという事もある。通常、部屋は壁で仕切られる。もちろんスキップフロアーも壁で仕切ることはできるのだが、それではスキップの魅力である、空間の広がりが感じる事が出来ない。

   技術的にはもちろん難しくはない。設計をする僕らは平坦な家よりも頭を捻くり回すため結構大変なんだが、お客さんの喜ぶ顔を見たいから。。否。。良い家を作りたいので設計に取り入れたい。。だが一番の問題は、田舎の工務店の大工さんがぶ~ぶ~いう事なんだ。。そんな家見た事がねぇ~し、意味ねぇ~じゃん。。って言われるだろうな。。

   まあ、無視して作るんだが。。

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