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剣道場なら最高だろうな。。 |
僕のご先祖さんはお侍だった。日向の国 (現在の宮崎県のほとんど) は秋月家高鍋藩の藩士であり、家老や剣術指南役などを務めていた人もいたようだ。その後、明治維新があり西南戦争に西郷軍として加わわり我が家はウルトラ没落。。その後、ほそぼそと農家や役所勤務などをして細々と暮らしていたそうだ。僕のひい婆さんは明治生まれの人なのだが、ひい婆さんが我が家に嫁いできた時は、まだその西南戦争に従軍した爺さまがご健在だったようで、まだ丁髷を結っていたそうだ。竹が入り用の時は、先祖伝来の刀を腰にちょんと差し、山に入って竹をバッサバッサ切り倒すので、さすがのひい婆さんもびびったというお話が残っている。まだ僕が幼い頃、この明治生まれの婆さんが子守をしてくれた。ある日、母親がふと寝ている僕の頭近くを歩いた時にひい婆さんが激怒したそうだ。ひい婆さん曰く、男の子の頭は敵の大将に渡すためにあるので、頭の近くを歩くものではない。。そんな家庭に育ったため、僕の一族は剣道部に所属するというのが生まれながらにして決まっていた。だが僕は幼い頃、病気ばかりしていたので剣道には進まなかった。だが親戚が剣道ばかりやっているので、幼い頃などは剣道場へ行き応援ばかりさせられていた。なので剣道場への思い入れがちょっとだけだが僕にはある。日本各地に柔剣道場と言われる建物がある。各市町村には必ず一つはあるし、中学校にも必ずと言っていいほどある。だが、柔剣道場などを訪れるといつも違和感を感じる。柔道や剣道は日本古来の武道である。だがその建物は和の空気を出してはいない。それはやはり建物がコンクリート製だからかもしれない。
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剣道は美しないといかん気がする |
現代の多くの柔剣道場はコンクリート製 (以下RC) や鉄骨の建物が多い。理由は単純だ。大きな空間をとるためにはRCや鉄骨の方がとりやすいし、設計する人間としても設計計画が簡単だからだ。剣道の場合、試合をする板間は9mないし11mの正方形または長方形のスペースが必要だし、柔道の場合は14m~16mの畳部屋が必要となる。その正方形ないし長方形の空間を木造で作る場合、どうしてもトラス屋根構造にするか、もしくは柱を設けなければそんな大きいスパンは作る事ができない。また室内に観客や応援のスペースを作る場合、木造ならそれなりの工夫も必要だが、RCや鉄骨は簡単にスペースとして確保できる。だがどうも僕としてはRCや鉄骨の柔剣道場は持っている雰囲気がどうも武道には向いていない気がする。
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有備館 |
もちろん、RCや鉄骨で木造っぽく作る事は可能だ。10年ほど前に完成した京都迎賓館は見た目はがっつり和風だが、内部は鉄筋コンクリートの建物だ。この建物の場合、見えるところは全て木造として化粧している。なのだが、もちろん化粧なのでそれなりに予算がかかるので地方の小さな町の予算でそんな立派な和風の柔剣道場などはハナから無理だろう。また和風のRCで『軍服を着た建物』と呼ばれる帝冠様式の建物もやはり予算上無理だと思う。
だがどうしても僕にはあの ”あ~るし~” な柔剣道場は武道とはかけ離れている気がするし、景観上もよろしくない。中にはRCで無理くり神社のような梁や柱を作っているものもあるが、結局は白いペンキなどで塗っているため、どうも違う。。何とかならないだろうかと最近江戸時代の剣道場を調べている。江戸時代には柔道はなかったが、剣道は今よりも盛んであった。幕末の志士の多くは剣道場に通っていたのは有名だ。坂本龍馬しかり、近藤勇や桂小五郎も剣道の免許皆伝者だ。そんな彼らが切磋琢磨した江戸時代の剣道場は今は少ないが、あるにはある。例えば山口県は萩市にある有備館などがその典型だ。その建物は試合や観客席のスペースを確保するため建物自体は細長く作られている。試合をするスペースの脇には大きな柱が一直線にならび、そして観覧するスペースはその柱の外に配置してある。明かりはどうしてもその試合スペースの上部にとることが出来なかったようでだいぶ暗い。だがむき出しの梁や大きな柱、そしてもちろん外観は十分に和の剣道場となっておりとても立派な風格を持ってる。
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岡山県立倉敷天城高校武道場 昭和2年 |
本物の和風の剣道場が僕は見たいしそこで剣道の試合などを僕は見てみたい。どうもあのRCの剣道場では足臭い。。それに道場とはどうしても汗ばむ場所。閉ざしたRCなどの建物では、空気の流れがどよみがちだ。できる限り開放的な空間の木造の道場なら試合や練習をする方も快適だし、お客さんらもそっちの方が良いはずだと思う。道場の庭先から観戦できるような建築計画を立てても面白い。剣道の試合が一種のお祭りのような感じさえ出てくるだろうと思う。調べてみたら木造の道場だからと言ってサイディングで施工している工務店さんもいるようだが、やはり雰囲気は重要なのでサイディングは厳しい気がしている。
もちろん、そんなお仕事は来ていないのだが、そんなことばかり考えている。
う~ん、長なった。。
っていうか、ホントはもっと長かったんで割愛しました。。
気が付きゃ書き始めて3時間。。押して下さいね。
さあ晩飯でも食べようか。。
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