家々の値段を表す指標として、坪単価と言われる物がある。一坪いくらで作りましたと説明する場合によく使う。工務店に勤めているとよく聞かれるのだがこれが中々説明しにくい。と言うのも、結局はお客さんが求める建具やサッシなどの商品の値段に差があるからだ。もちろんそれぞれの工務店がよく使うサッシや建具だと、大体これくらいというアバウトな物はでる。しかし、今はいろんな家々に関する本も出ているし、ネットだってある時代。お客さんは色々なものを見てきているので、これが欲しいという物がある。しかし、本やネットには価格が書いてない場合が多い。よって施主さんは良い物だけ選び、坪単価はぐ~んと上がってしまう。そんな時は間取りを小さくする必要に駆られてくるてき、設計をする人間は頭を悩ませる。
設計屋の楽しみは、僕は家が完成したときではなく、やはりプランニングだと思う。しかし、一度作ったプランを変更すると設計屋は大変苦労をする。なぜなら一つの間取りを小さくするとか、部屋を無くすなどすると全体の図面をいびらねば家として収まらない場合が多い。よって全て始めから練り直す。以前こんな事があった。僕が京都の設計事務所にいた頃の事だ。兵庫県のある高級住宅地(名前は伏せます)の施主さんが絵に描いたようなオカマちゃん兄弟。最初は2階建ての建物を要求してきたので、ラフプランを作り、電車に乗り説明をしに行って納得してもらった。それから京都へ帰り、1週間をかけて図面をほぼ完成させ、模型まで作って持って行ったら、いやいや地下駐車場入りの3階建てにしてほしいと要求がきて、泣く泣く作り直し。そしてまたまた1週間ほど費やし、間取りが完成したところで、カタログを持って行ったら、サッシや建具を高級な物を要求し、金額が合わず結局2階建てに再変更。2階建てのビルトインガレージを入れる事で落ち着いたが、結局計画は最初からまたまた練り直し。ひ~ひ~言いながら治めた。おかげで大変な労力とムダ手間になってしまった。もちろん若干の人件費はでたりしたが、残業代は一切出ずに終わった。オカマちゃんには本当に泣かされた。
それ以降、僕は設計する場合は大きくも小さくも簡単にできるプランを作った。でないと、僕もそうだが施主さんが泣きをみる事だってあるからだ。以前はそれ程でもなかったが、設計屋も坪単価をある程度に押さえるコストパフォーマンスが要求される時代になっている。まあしかし、無謀なプランだって相変わらず作ってしまう。よって現在悩んでいる。。
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