昔から日本人は台風に悩まされてきた。よって台風の雨対策のために雨戸という物がある。窓の横に戸袋を作り、そしてその中には木製の窓枠を入れたあれだ。よく死んだじいさんが、台風前になると雨戸をだしてくれた。子供の頃などは、家の中が昼でも真っ暗になるので妙にわくわくしたもんだ。昔の日本の家は開口部が大きい。多くの家々には濡れ縁があり、そして隣は廊下となっていた。よって台風などの時には横なぶりの雨がその遮る物のない廊下へと入る。それを防ぐために雨戸はある。ガラス窓が本格的に使用され始めた大正・昭和になりその雨戸が強風からガラス窓をまもる役割となってきたように思える。
今日の家々につけられているのは雨戸ではなくシャッターのものが多くなってきたように思える。僕がホームインスペクションのお仕事で新築住宅の家に行った時などは、必ず雨戸の代わりにシャッターがつけられており、動作確認をさせて頂いている。もちろん僕のいる工務店でもがっつりシャッターが取り付けられている。しかし、伝統と景観をこよなく愛する僕にとってはどことなく寂しい気もする。シャッターをボタン一つで閉めれるので、そりゃ便利だという事も十分すぎるくらい分かっている。が、おかげで日本の家のファザードがますます単調になっていく気がするし、どことなくインスタントで町の景観を悪くするとまでは思えないが、ど~も味気ない。
今度仕事で日本家屋をつくる事になりそうなので、できれば雨戸(戸袋付き)を作ろうかな。。でも何となくシャッターになりそうな気がする。。
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