町屋校舎です |
建築の学校の良いところは、建物の建て方を学ぶ事と同時に、実際に製図を自分でデザインする事にある。夜間だったせいでもあるのだが、最初に一つの木造建築を模写してあとはいきなりデザイン。今考えると恥ずかしいようなデザインだったりするのだが、とりあえず書かされる。よくよく考えると卒業までに多分30枚ぐらいは書いたのではないだろうか。木造2階建てのプランやコンクリートの図書館。リフォームプランや公園のデザインなど、結構幅広い。そして最後には卒業作品と言う物を作らされる。昼間の生徒さんは卒業前の半年前ぐらいから卒業設計について考え、そして作り上げていくのだが、夜間学生はわずか1月半しかなかった。最低提出図面数は8枚だったと思う。この卒業作品をクリアーできないと卒業は認めてもらえず、僕のクラスメートだった人間も実際に留年した。僕は京都会館と隣の公園を改修して音楽を専門とする改修案的な物を出した。僕だけではないのだが、プランの段階から京都大学出身の先生方にぶ~ぶ~言われ、へこみながら作った。『おい、ここのデザインは逃げてるじゃないか!』とか激しい口調で罵倒されたりしたものだ。当時はなんだよって思ってはいたが、今となってはちゃんと糧になっている。ありがたい事だ。
ある本でレンゾ・ピアノという建築家が言っていた。一日のうち30分でもゆっくりとした時間をもち自分が何を作りたいのかじっくり考えるようにしていると。デザインとはふとした瞬間にひらめく。このひらめきを求めるために専門学校があったんだと僕は思っている。
良かったら、ご協力下さい。
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