若い頃僕は司馬遼太郎のエッセイが好きで、読みあさっていた。その中に確かこんな一説があった。現代の日本人(特にサラリーマン)がスーツを着るのは企業や団体が彼らにとって未だ藩組織であり、そのスーツは言わば紋付き袴なんだと。ほ~、確かにそうかも知れない。昔のお侍さまは公の場所では紋付き袴だった。家に帰れば袴は脱ぐが、お仕事は袴を着用していた。
僕がアメリカにいた頃、スーツを着る人々はまれであった。統計ではアメリカのサラリーマンのうちスーツを着用している人々はわずか3%にすぎない。確かに仕事がらスーツ着用って企業や店舗はあるのだが、その場合はちゃんとスーツ代が出る。日本みたいに一般職だからといってスーツが義務と決めた場合、アメリカの人々は就職しないであろうし、労働団体からクレームがくるであろう。なぜならスーツ代ってアメリカでも高いからだ。日本と違いアメリカ人の仕事に対する意識は気楽だ。公務員だってサンダルで仕事している人だっている。勿論半ズボンも大勢いるし、それに対して誰もクレームを言わない。サンダルはいているからって何かサービスが悪くなるって事はないと思う。それに実は多くの日本の公務員は仕事場には革靴で来て、仕事場でサンダルに履き替えている。スーツだってその程度のものだと思うのだが。。
よくよく考えて見ると何故我々はイギリス人の格好をせないかんのだろうか。企業もお金を出さないのならスーツ着用とがみがみ言う必要はないんじゃないだろうかとつくづく思うのだが。
良かったら、ご協力下さい。
0 件のコメント:
コメントを投稿