昔から台所は奧の寒いスペースと決まっていた。表であるハレのものではなく、単なる作業場だ。また食品は腐る心配があるので大抵北側に配置されていた。だが戦後いわゆる文化住宅が出てきて、ダイニングキッチンがもてはやされた。これは多分アメリカの影響だと思う。まあアメリカで日本のように、キッチンの凄く隣にダイニングってのは少ないが、当時の日本人には素敵に感じられたのだと思う。それに業者目線からも、その方がスペースをコンパクトに収めるのにはちょうどよかった。その後、カウンターキッチンの登場となる。カウンターキッチンの利点は分かりやすい。文化住宅のようなDKの場合、キッチンは概ね排気を外部に出さねばならないため外壁側となり、食事をとるダイニング側に背中を向け、料理する事となる。それが多くの女性には嫌だった。なのでカウンターキッチンの登場で家族の顔を見ながら料理が出来るし、後ろからの視線を気にしなくてすむ。
しかし、僕はどうも好きにはなれない。カウンターキッチンの以来を業者がすんなり受け入れる理由は分かっている。簡単に間取りを収める事が容易だからだ。またお客さんもカウンターがベストという思い込みが強く、お互い合意が取れやすいし、すぐに契約もしやすい。だが、そうは分かっていても僕好みではない。工務店に勤務しているので、その方が工務店的には正解だとはよく分かってはいるんだが。。
僕はインスペクションや耐震診断で多くの家を見てきた。手入れがいき届いてないカウンターキッチンのお家の場合、そのDKはラーメン屋さんのようになるのをよく知っている。カウンターの上には醤油の跡がクッキリと残り、そして雑誌などを机に置いたら、まさにラーメン屋。そして雑誌は醤油でカッピカピ。へたすりゃ、小バエがブンブン飛んでいる。よって、あまり好んで設計するつもりにはならない。よって、 『カウンターじゃない方がいいんじゃないですか?』 と一応聞くことにしている。まあ、予算と延べ床面積の関係で、そんなに簡単にはできはしないのだが。。
元来、キッチンは女性の城のような存在であった。僕が幼い頃は、男は口を挟んだらいけないような場所でさえあった。しかし、今は違う。男だって料理をせないけないし、しないのは勿体ない事だと思う。なので、僕は台所を大きく取った家を設計するよう心がけている。小学校などには理科実験室というものがある。あの大きな実験台があるようなアイランド型のキッチンがある台所が僕は好きだ。真ん中で洗い物ができ、尚且つ料理だって子供の勉強だってそこで見る。もちろん大勢で料理だってできるし、窓を大きく取り外気をいれ、光を入れよい空間が演出できれば、設計屋冥利に尽きると言うものだ。もちろん、パソコンでネットも出来るスペースもあった方がよいし、本棚だって設けたい。もちろん横には小さな朝食用のダイニングだってあってもよいが、できる事ならダイニングとリビングは別の部屋に設けたい。その方が演出上よいからだ。また外部に出る勝手口などを設け、庭で簡単に食事ができるような配慮だってしたい。昔の台所のように寂しい思いはせず、そして家族に背中を向けた文化住宅とも違う。そしてお客さんからの目線も隠せると思う。
見せるカウンターは難しいし銭がいる |
それにキッチンを中心の家庭は幸せだと思う。決して今のようにリビングやダイニング中心よりは子供はぐれない。実際には使う事の少ないリビングに大きなスペースを割くのは、もっちねぇ~気がするし、面白く無い。まあ、僕的にはかも知れないが。
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こんばんわ(^-^)
返信削除私もテーブル式のキッチンが好きですね。
カウンターは、もう流行らない気がします…
なんたって狭いし、結構カウンターが物置化している家庭が多いですよね。
置き時計やら雑誌やらなんやらが山積みだったり…
なのに、カウンター用の椅子はそのまま置いてあるんですもの(笑)
シンクと陸続きで食卓がある方が、主婦にとってはかなり効率がいいですね。配膳も下善も!
いいなぁ~憧れますね(^-^)
深く考えればそうなんですが、多くの場合カウンターキッチンが絶対という人が圧倒的に多いですね。
返信削除何か、カウンターにすれば物置化しないと思っているようで。。
ですが、後ほど行ったら、やっぱり物置になり
棚が欲しかったなんて言われるんですよね。
まあ、家を作る時に最初に女性の方はカウンターキッチンに目が行くようです。
まあ世の中それがおしゃれとまだまだ思っているようですね。
だからこそ僕みたいな設計屋が食えるんですが。。