小屋裏部屋の悪巧み

   僕は男の子だからだろうか、小屋裏部屋に興味がある。妙に秘密の部屋のようで、ちょっと気分がよいからだ。あの屋根裏丸出しの勾配天井が妙に好きで、前からちょっと住みたいと考えている。日本では小屋裏部屋をこしらえる人々は少ない。だが、アメリカのアパートなどでは天井勾配があるロフトなどが人気があり、家賃などはちょっと高かくつく。まあロフトと言っても荷物置きのロフトではなく、日本ので言えば中二階にあたるほどの豪華なロフトではある。。またそのためにわざと勾配のある天井をこしらえる業者だっているくらいだ。別に施工費用がぐんと高くなるわけではないのだが、それだけお金をだしても人は集まってくるという事だろう。

   小屋裏部屋の魅力とは何だろうと考えた。やはりそこはプライバシーの確保しやすさが一つだろう。階段を使わなくては入れないので他人は簡単には人は入って来れない。また小屋裏が寝室や勉強部屋となる事で、下階は他の部屋へと割り当てることが出来る。だが、何よりも嬉しいのはその秘密のアジトと言った感じだろう。昔から秘密のアジトは小屋裏の隠し部屋と相場は決まっている。かの幕末の志士らと深く関わったトーマスグラバー邸だって秘密の小屋裏が最近になって見つかったと聞く。龍馬も晋作も、そして博文も小屋裏があったからこそ、悪～いお話が出来たというモンだ。

   だが、小屋裏部屋を実際に作って寝室に使おうといったアイデアは、通常の工務店的感覚ではアウトだと思う。工務店目線から言えば、年取ったら使いにくいし、それに小屋裏は暑くてたまらない。現在、日本の家を作る場合は断熱材で被ってしまうのが一般的だ。意外と知られていないが、一般的な天井は、梁などから天井面自体を釣っている。そしてその釣っている天井の裏側には断熱材が敷き詰められている。そして各部屋を断熱材がぐるりと天井や壁、そして床を被っている事によってクーラーなどの機械換気の効率を上げている。

   しかし屋根断熱という方法もある。これは天井をつけずに屋根を直に見せる場合取られる方法で、断熱材を小屋裏の代わりに、屋根の裏に取り付ける事となる。この場合、小屋裏換気口はつける必要もないし、あったら断熱効果が低くなるので取り付けない。希に間違えて開けちゃってる場合もあるが、これは単に業者さんの勉強不足だからだ。だからといって違法ではない。

   屋根を断熱したとしても、小屋裏部屋などはとても熱い。基本上部にあたるから熱いに決まっている。なのでお客さんに家を提供する工務店はクレームが恐ろしくて作れない。う～ん、どうしたもんかの～と考えていたら、あっさり解決法があった。スペースシャトルで使われている塗料を使えばよい。

   ガイナーという塗料がある。これは熱を溜めないし通さない性質を持っている、とても優れものの塗料だ。これはNASAがスペースシャトルの塗料としても使っているらしい。実際にパンフレットにもスペースシャトルの写真が載っている。大気に突入するスペースシャトルの表面温度はひどく高くなるので、この塗料が開発された （たぶん。。） 仮に熱々の缶コーヒーにこのガイナーを塗ってみたら全く熱くない。缶コーヒー熱をお手々に伝えないからだ。

   最近書いた 『3坪のスモールハウスも悪くない』 という記事がおかげさんで好評だ。僕と同じ事を考えている人もいるようで、色々な人に質問を受けた。実際に3坪の家を作る場合は小屋裏部屋（ロフト）とせざるおえず、どうしたら快適か、どうしたらべっぴんさんとなるか、悩んでいる。ず～と頭の片隅でとっ散らかっているアイデア倉庫を、普段よりもひっくり返しながら考えている。屋根材の下地板の上、または屋根瓦の上に直接ガイナーを塗ることによって熱を遮断し、ちゃんと屋根裏には規格よりも分厚い断熱材を敷き詰める。そして勾配屋根を通せば良い環境の寝室などのプライベート空間ぐらいにはなるはずだ。200万ぐらい（地域により違いがあります）で作る3坪の家だが、贅沢に設定しなくては勿体ない。

   今、本気で作ろうか悪巧み中だ。。うふふ。。

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