2012年11月15日木曜日

知識がないのに土地買ったら損をする

   今日は仕事の関係で、とある不動産屋さんに行き土地の検索と物色をしてきた。普段は不動産やさんに行く時は建物ばかり見ているが、土地をじっくり生々しくみるのは久しぶりなのでそれなりにテンションが上がった。僕は設計屋さんをやっている。しかし、ホームインスペクションのお仕事もやるので土地については少しだが知識がある。通常土地を購入して家を建てようとする一般の方々は、学校から近いとかスーパーが近いとか、そういった利便性で物事を考えやすい。しかし、土地と言う物はそれだけの情報で買う物ではない。本来は不動産屋さんが情報を提供するべきだと思うのだが、ほとんどの不動産屋さんはあくまで仲介するのがお仕事。土地の特性や善し悪し、そして建物を作った場合どうなるかなどは教えてはくれないし、そんな知識もない。僕がインスペクションをする場合、土地の情報を教えるようにしている。

   例えばその土地が国道などの大きな道路などに面している場合。大きな道路に面していると大きなトラックなどがよく通る。仮にその土地が軟弱な地盤の場合は、土地が揺れることだってある。この揺れと言う物は実はやっかいで、建物にじんわりじんわりと影響を及ぼす。場合により地盤沈下だってあり得るから恐ろしい。また場合により窓などがぶるぶる揺れる事だってある。この揺れはあまりよい物ではない。

   また車が多く通ることによって排気ガスを出す。多くの方が忘れている事だが、このガスの影響で白い外壁が黒くなることだってある。道路沿いに建物を建てようとする場合、知っておいた方がよい。

   外壁続きでもう一つ。畑などの隣に家を設ける場合、外壁はとても汚れやすい事を忘れてはいけない。僕の実体験から言えば、以前インスペクションをかけた千葉県のとある新築一戸建て。そのお宅の隣が畑だった。なんだが施工業者曰く、その施主さんのたっての要望でモルタルで塗ったような白い外壁仕上げとなっていた。よって引き渡す前なのに外壁は土だらけ。雨が一度でも降れば外壁には雨の跡がはっきり残る。これをほっとくと苔が生え、劣化の原因にもなりかねない。業者さんや設計屋さんは反対したらしいのだが、施主さんの希望。泣く泣く白い外壁を取り付け、後で施主さんに引き渡す前に 『ちゃんとクリーニングしてくれますよね?』 と言われていた。 『もちろんします!』 と業者さんは答えていたが、後の祭り。どうせまた1週間ぐらいしたら汚れるに決まっている。

   土地に関する情報を上げ出すと切りが無いのでこれぐらいにしておく。一般の人々は駅に近いとか学校に近いとかので利便性のみで土地を選びがちだが、それはとても勿体ないと思う。僕の場合、間違いなく窓から見える景色がどれだけ健康的かで選ぶ気がする。その方がいざ売る時にも売りやすい気がするし、住んでいて幸せだからだ。

   僕が田舎者だからだろうか、そんなことを考えた。

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