[レトロ建築]
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金吾式らしい煉瓦の赤と白 |
辰野金吾という建築家がいる。江戸時代生まれで明治・大正を駆け抜けた人で、建築だけで無く当時の日本の文化人に大きな影響を与えている。その堅牢な建物群は『金吾式』などと呼ばれ、未だ人々を惹きつける。有名な建築としては、日本銀行本店や現東京駅。現京都文化博物館別館や奈良ホテルなどそうそうたる建築が現存している。煉瓦(レンガ)を多用したのでどことなく赤い建物が多かったりするのだが、その赤と白のレトロな雰囲気が何とも良い。別に金吾かて、レトロな雰囲気を出すために煉瓦を多用したのでは無く、その当時最新の技術を駆使したらそんな建物になったんだろうと思う。
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水野晴朗ではない |
以前京都に住んでいた事は書いた。京都の方々は一見保守的に見えたりするのだが、実はさほどでも無い。勾配屋根が嫌いだって言っている京都人が結構多かったりする。なのですぐに町屋を壊してRCの陸屋根を作ってほしいとか、アメリカンチックな家を作ってほしいとか来る。さすがに断ったが、他の工務店がアメリカンチックな家(アメリカでは見た事が無い感じの。。)を作ってらっしゃったりして困惑する。京都に暮らしているとレトロな雰囲気の物を見かける事はもちろん多い。もちろん町屋であったりするのだが、しかし金吾式の建物が意外と京都によく似合う。煉瓦の建物と町屋はミスマッチのような気がするのだが、歴史のなせる技なのか、はんなりしてはるんですな~これが;D たとえば京都のMizuho銀行。がっつり金吾式の建物なんだが、何の違和感も無い。この銀行を建てるとき一悶着があったそうだ。要は改修するよりも壊した方が遙かに安いと言う事だったらしい。しかしMizuhoはんは、そこをがんばりはった。エライ!受付嬢が超美人だ!って周りの大工に言ったら、みんなMizuhoさんで講座を開設されてた。単純だ!
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奈良ホテル |
奈良ホテルも辰野金吾が作ったホテルだ。彼の建築では珍しい和風旅館となっている。このホテルはそうそうたる人々が泊まっている事でも有名だ。皇室の方々から東条英機、映画界では三船敏郎など。また司馬遼太郎を代表する文人。また海外から愛新覚羅 溥儀(満州国皇帝です)からオードリーヘップバーンやリンドバーグまで、なんか歴史上のキラ星が勢揃いと言った感じだ。玄関を入ってロビーにでると、松岡洋右(国際連盟脱退時の全権委任)などが出て来そうな趣(おもむき)さえある。まあ参加した事はないが、国際連盟の会議室とかパリ条約の絵画のような凄いホテルなのだ。いつか偉くなったら定宿にしようと天下一品を建築仲間とすすりながら思った。
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メインダイニング『三笠』名前が凄い! |
大正デモクラシーの時代の物は僕にはたまらない。最近そんな人々が増えてきていると聞いている。古い建物を大事に使うって言うのは、景観の継承という意味でも良い事だと思う。そんな事を考えながらサッポロ一番をすすっている。決してまだ偉くはないのだ。。
良かったら協力下さい。
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