木製の外壁は日本から姿を消して久しい。何故かというとメンテナンスが大変だからだ。木製の外壁を何もせずに施工し、そして10年ほどたつと黒ずんでくる。これは紫外線の影響をモロに受ける事によるもの。もちろん初めから塗装屋さんに仕事を依頼しておけば、綺麗にペンキを塗ってくれるので黒ずみはなくなる。しかし、どうしても色は落ちてくるし、どうしても本物には見えなくなるきらいがある。それに木材は膨張や曲げが出てくるためやはり10年ぐらいでメンテナンスをしなくてはならない。
昔の家々は外壁に今のようなサイディングを貼り付けたりはせず、ただの板を張り付けた鎧張りなどが多かった。もちろん経年劣化で黒ずみ出すのだが、設計する側からみればそれが良かった。それが美しいとさえ思っている。そして地域の木材を使いそして地域の大工さんが作る家は、それなりに地域に特性を持たせ、景観を維持・構成していた。また、いかに朽ち果てるかを考えて設計していたので、いろんな工夫がそこにはあった。
しかし、サイディングという安いセメントと木材の人口外壁の登場で、木製外壁の時代は昔の事となったと言える。サイディングは約30年ぐらいの寿命はあると言われており、またその耐火性能はもちろん木製のそれと比べると雲泥の違いある。またそれは色落ちが少なく、反りもほぼ出ない。それに施工する側からすれば施工しやすく、コストパフォーマンスから言っても木製外壁と比べればとても安くつく。よって木製の外壁が駆逐されたのもしょうが無いとは思う。しかしその登場は地域の景観へ大きな影響を与え続けている。なぜなら、全国統一の基準で建物を作り出せるようになったからだ。
一般に日本の木造住宅と言っても地域ごとの特性があった。長くなるので今日は割愛するが地域ごとに作られたスタイルの家が安価な工業製品の普及によって無くなっていったのは僕は悲しい。家を作るのは大変お金がかかる物なので、安く安く行くのは自然な事だとは思うのだが、それにより良い家が少なくなった気がしている。それが勿体ない。
よって、とある塗料を使って木製の外壁を復活しようと考えている。会社の人間に聞いたら、どうもサイディング信仰からは抜けきれないので、僕が作ろうとしているスモールハウスでは標準的に使っていこうと思っている。もちろん地域の特性も忘れるつもりはないし、その塗料はまだ秘密だ。。フフフッ。
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