次、こんなん作ろうと思ってます。 |
日本のほとんどの家にはいわゆる設計屋は入ってはいない。入ったとしても確認申請という役所に提出する書類作成だけである。いわゆる名義貸しが横行している。というよりも、それが当たり前の世界だ。一般的に言う、 『デザイン』 なるものはほとんどの場合、国家資格である設計士の方々が、ちゃちゃっと図面を書いている。そのちゃちゃっと書く設計士は設計事務所にいるのではなく、工務店勤務の現場監督であったり、建築士の資格をもった大工さんであったり、ハウスメーカーの営業さんであったりしている。
僕の場合、京都の小さな設計事務所からスタートした。そこはいわゆるアトリエ系の設計事務所だ。いかにもデザイナーと言ったような個性的な連中がたくさん集まり、日々コンペ作品などに勝ったり負けたりしていた。そんな所に就職した僕は、建築理論を徹底的に頭にたたき込まねば生きていけなかった。そのためには本を読みあさり、図面を読み解く必要がある。なぜこの建物はこのようなカタチになったのかを読み解く必要があった。安藤忠雄に隈研吾、古くは丹下健三 (僕の社長はこの人の下で働いていた) やコルビュジエ。最近ではSANNA。レンゾ・ピアノはちと古いか。。そんな人々の建物を読み解き自分のお仕事に生かして来た。
大工さんらが良い家と思うのは、雨漏りなどの不具合はなく良い部材を使った家だ。そりゃそうだろう。木造住宅を施工するのは、大工さんらだ。責任があるからだ。そしてキッチンやシステムバスなどの重機器などは高価なモノを使った家が良い家と思うようである。そして風水にこだわるのも特徴だといえる。大抵の大工さんらは風水セットを持っていて、叩き台の図面の上に風水セットを置いて 『う~ん。。』 などと言って占っている。そして出来上がる家は、まあ普通の家ではある。
僕ら設計屋はそうではない。僕ら設計屋が作る建物は自分が学んだ建築理論を詰め込んだ家である。それは風の方向や目線の高さや広がり、そして太陽の角度であったり導線や空間のボリュームであったりする。風水は初めから無視している。科学的根拠があるならまだしも、無い場合や現代では十分カバーできる程度の風水は、無視をしないと良い間取りに持っていくのが難しいからだ。なので風水セットは持っていない。だがこだわるお客さんには、 『ドクター・コパでも読んで下さい、何とでもなるらしいですよ♡』 と言っている。
内部はこんなん |
師匠の師匠。尊敬はしてない。。 |
大工さんらの住む世界は 『建設』 であり、僕ら設計屋の世界は 『建築』 である。
なので、よく 『ぶっ飛んだ家を作るな~』 と大工さんに言われたりする。だがそんなにぶっ飛んだモノを作っているつもりはさらさらない。本を読まないから、ホントにぶっ飛んだ建物を知らんのだろう。
第一、景観を大事にすると毎日のようにこのブログに書いている設計屋が、ぶっ飛んだ建物を作る勇気もないし、それを作ってくれる大工さんなどは宮崎にはいないんじゃないだろうか。まあ、僕は自分が作る家を 『作品』 などと思う建築家タイプの人間ではないので、作るつもりもないが。。
大工さんが作った、普通の家の3D図面を作りながらそんな事を思った。
1年前と全く同じ間取りだよね。。これ。。
風水バンザイである。。
お仕事がんばります。
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