現在、宮崎の佐土原町にあるマクドナルドでお仕事をしている。今週末に入札があるためその見積もり作成をせなイカンからだ。また以前にも書いたが、紳士服工場の図面作成作業が順調に遅れているからでもある。よってゴールデンウィークなどはどこ吹く風。ここはみんな~のマクドナルドなのでゴールデンウィークをエンジョイされているご家族だらけ。そんな中、青焼きの図面と業者さんらから上がってきた見積もりをデンっと机に置き、ガッツリ仕事している。実に憂鬱だ。気を紛らわせようと外で煙草を吹かしていたら鎮守の森が見えた。こんな町中 (僕から見てという意味で。。) にも鎮守の森があるんだと思った。
僕は神社が妙に好きだ。というのも、日本の建物は戦後にずいぶん伝統的なカタチを捨てたのだが、神社だけは昔からのカタチを残しているからだ。昔と言っても100年ほどの昔ではなく1000年程度の昔を指す。神社建築は伊勢神宮の式年遷宮 (しきねんせんぐう) のように昔からのカタチをそのまま残す建物である。なので神社にもよるが平安鎌倉の時代のカタチを愛でる事ができる数少ない建築と言える。
いわゆる鎮守の森は、その神社の式年遷宮のための森である。今では限られた神社のみ、その伝統が残っているが、昔は結構な神社で式年遷宮をやっていた。その遷宮の木材を確保するために作られたのが、鎮守の森だ。だが色々な理由で式年遷宮を早い時期で辞めた神社も多い。だが様式として、神社建築と鎮守の森はセットで考えられていたのだろうと思う。なので大きな森が今でも残っている場所が多い。もちろんその森は風から建物を守る役割もあるし、近隣住民が勝手に焚き物泥棒を働く場所でもある。また切ったら罰当たりそうなので、森はなくならなかったのだろう。日本人はお城や御殿などはその役目を終えたら、さっさか他の建築物のためにその木材を流用する癖がある。鎮守の森や神社が残っていること自体、奇跡だと僕は感じたりする。
だが、どれほど日本人が神社を大事にしてきたかは微妙だ。一応大事にはしてきただろうが、それが外国のように激しい宗教意識としての神社ではなく、村の寄り合い的な場所だった気がしている。明治期に入り国家による神道が押し進められ、廃仏毀釈のような日本の歴史では特異な一神教的現象もあったが、戦争に負けた昭和20年以降はもとの寄り合いとしての神社に戻った。モンゴル人が元王朝を築いたが、ちょっと調子が悪くなったら全てを捨てて遊牧民に戻った現象と似ている気がせんでもない。
日本の村々は神社を中心に作られたのではない。もちろんそんな地域もあるが、ほとんどの地域では川の近くに水田ができ、その水田を扱う人間らが住む村々が出来た後に寄り合いとしての神社が出来上がった。その後に鎮守の森が出来上がる。寄り合いのための神社でもあるし地域の要としての神社の登場でもある。
もちろんお寺にもそんな理由で出来たお寺もあるだろう。だが仏教は地栄えの宗教である神道と違い歴史は浅く、その土地に根を生やしたような宗教とは言いがたい。純粋に寄り合いとしての施設して使われてきたとは感じがたく、どちらかと言えば現世利益の臭いがきつい気がする。もちろん仏教は厳正利益のためではなく、来世のための宗教と言えるだろうが、そのあたりは日本人には向いてはいないようだ。寺内町などは宿泊施設や飲食店などの商店街がひしめき合っているのは、どちらかと言えば商売としての施設とどこか日本人は心の中で規定している気がしないでもない。
現在は神社は寄り合いの場所ではなくなった。バブル時代以前ぐらいまでは大人達は神社で酒盛りをやっていただろうし、子供らが遊ぶ場所はもっぱら神社だった。寺なら酒盛りしてたらなんか足のないのが出そうだし、子供らだって墓の周りでは遊んだら坊さんに怒られそうだからだ。だが現在ではその習慣はほとんどなくなった。立派な公民館が各地域に出来たし、以前よりも商売たくましい飲食店がその場を貸している。なので神社はすたれる一方で、ほったらかしの鎮守の森も野良猫の住み家と化してしまっている。
もっと神社を自然に使えるような社会の方が日本人の型としては美しい気がする。現在元気がある神社は特異なお祭りや伝説を持っていなければならず、それらの宣伝のためにテレビ CM を打つなど中々たくましい。そうでない神社は存在価値さえ薄くなっている。だがせっかく地域の中心の場所にある空間を使わない手はないと思う。昔は祭りを作る際は神さまがその中心だった。だが最近は町おこしに一生懸命なのだが、商売人中心でそれが町の形成に本当につながるのか僕にははなはだ疑問だ。町おこしは商売のための町おこしだけなんだろうか。違う気がする。
祟りモノにさわらないようにぽつりと残る神社を見ながらそんな事をいつも考えている。地域のつながりとしての神社はもっと使われて良い気がする。僕は神社は究極の公共物なんだと思うからだ。
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2日もサボりました。。忙しいんです。。
2013年5月5日日曜日
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