以前、僕が超極貧の苦学生をしていた時のこと。僕が所属する教徒建築専門学校の企画で、愛知県は犬山市にある明治村に行った事がある。ここは日本の近代建築の礎となった建物らが移築されているテーマパークのような場所だ。運営しているのは公益法人で、明治時代の建造物などの歴史的資料を収集・公開し、社会文化の向上に寄与することを目的としてるらしい。当時は建物をまだ全く分かっていない時分に行ったため、それほど感動したとか勉強になったという感じではなかったのだが、一つだけ度肝を抜かれた建物があった。それは復元された歌舞伎座だ。これは明治時代に作られここに移築保存されたのだが、電灯のない時代の劇場建築がどのようなものだったのかを見るにはちょうどよい。歌舞伎の舞台が派手な原色を多用するのは、明かりがなかったから。そして客席は極端に暗く舞台に集中できる。現在の映画館の原型がそこにはあった。照明設備が乏しい時代に、こういった建築物を考えた人って素敵だなぁと思ったりした。この建物のおかげで僕は歌舞伎に興味を持ち始めた。いつか設計で成功したら、歌舞伎でも見に行こう。そう思っていた。
朝方、ニュースを見ていると、中村勘三郎さんが亡くなられたとの報道が流れていた。非常に残念だ。僕はこの方をとても尊敬していた。古い物はちゃんと残しつつ、新しい考えも入れる。そしてそれを次世代へ引き継ぐ。そんな事を実践されていた。性格もオープンなのが素敵だった。色気もある紳士。こんな感じの大人になりたいと思える人だった。
今日は、そんなことがありちょっと落ち込んでいるので、とても暗い曲を流します。モダン・ジャズ・クインテットでジャンゴです。
若すぎるよな。。
良かったら、ご協力下さい。
悲しみに浸れるjazzですね。
返信削除勘三郎さん、本当に残念でした。
人の命は、本当に儚く尊いものですね。
私は、悲しみに浸るとき、『シンドラーのリストのテーマ』を聴いてしまいます。
バイオリンの悲しい旋律が、傷んだ心をゆっくり癒してくれるので…
残念ですよね。。
返信削除僕は本当に尊敬していたんです。
こんなに素晴らしい芸術家が、この若さってのもね。。
90ぐらいまでがんばって欲しかったです。。