京都の北の方で貧乏設計屋をしていた頃、辛かったのは冬の帰宅時間だ。僕の設計事務所は比叡山の近くにあり、山から吹き下ろす風が寒くて寒くてしょうがない。帰る時などは、地下鉄があればよいのだが、時間的に無理な時には、視界4メートルぐらいの吹雪の中自転車を転がして帰らねばならず、そんな日は暖かいうどん屋に直行するのがおきまりだった。そのうどん屋は素うどんが180円で食べられるので、疲れた体をいたわる僕のライフラインとなっていた。もちろん僕だけではなく、知り合いの貧乏設計屋さんや貧乏デザイン事務所の人間などは毎日のようにそこだった。
なんだが、けしからん事にクリスマスはやってくる。地下鉄では若い男女がハグし、チュッチュしている。そして、貧乏ったれが集ううどん屋さんも別にせんでも良いデコレーションなどをし、おかげで良い店を見つけることが出来なかったカップルカップル。とても入る気が失せる。常連さんをなめんなよと思い、もちろんそこで一人だけぽつんと椅子に座りうどんを食べるという選択もあるが、しゃくにさわる。そしてその日だけ気のせいか店員さんの目も見下しているように感じる。

京都で毎年クリスマスは天下一品に集合という暗黙のルールが出来上がり、僕らは 『クリスマスをラーメン屋で過ごす会』 と呼んでいた。発起人は僕なのだが、僕は京都を離れ今は宮崎なので後輩らが会をちゃんと引き継いでいると聞く。
ああ、ラーメンをすする君たちは、路上でチチくる馬鹿カップルよりは美しい。がんばりや貧乏設計屋(女なし)の諸君。
From 先輩より
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