2013年10月18日金曜日

『ななつ星』で行こう!!

   ヨーロッパの長距離夜行列車として有名な『オリエント急行』の誕生のきっかけは、一人のベルギー青年の失恋から始まった。その青年は心の痛手を癒やすために米国へ旅行し、アメリカ大陸を突っ走る寝台列車に魅せられた。当時のアメリカは大陸横断鉄道が完成に近づき、鉄道が人々の関心を集めていた時期であり、まさに鉄道黄金時代の頃の事である。のちにそのベルギーの青年は『ヨーロッパ寝台車・大急行国際会社』を設立し、豪華列車であるオリエント急行を走らせる事となる。確か最初はパリ・イスタンブール間6日の旅だったとおぼえている。

   JR九州がはじめた『ななつ星』が注目を集めている。工業デザイナーである水戸岡鋭治氏がデザインの『ななつ星』は、客室14室に定員30名で、制作費は新幹線並みの30億円であるそうだ。九州をほぼ一周する三泊四日と、九州北部を巡る一泊二日のコースがあそうで、来年の六月出発分まで完売しているそうだ。よって僕の地元宮崎でも結構な騒ぎではある。値段は三泊四日の九州一周デラックス・スウィートがお一人で95万円(たしか。。)であり、安い部屋でも38万円(たしか。。)となっている。2月分の給料がぶっ飛ぶと考えれば僕などはお金が勿体ない気がするが、母親などは乗ってみたいと言っている。

   当たり前だがターゲットは時間とお金に余裕があるシニア層であり、若者向けではない。また福岡が起点という事は、海外の富裕層をターゲットにしているのは間違いないだろう。僕はこの取り組みは素晴らしい事だとは思う。以前から思っていたのだが、日本は富裕層が楽しむ場所が少ない。富裕層にお金を払って貰わねば経済がよくなるはずはないし、日本の富裕層が海外でばかりお金を使われるのは一庶民として面白い事ではない。なので流行って欲しいとは思っている。


近所の老人ホームではない。。
   だが今は注目されているこの『ななつ星』だが、これからもずっとうまくいくかと言えば、どうだろう。僕は九州の宮崎に住んでいるからか、九州一周の豪華夜行列車には格段魅力は感じない。九州モンがいつも見ている風景を走り、よく食べる料理を、高いお金を出して乗るかと言えば、乗らないだろう。それにそれ程九州自体がそれほど美しいかと言えば、僕には疑問符がつく。僕には九州の街並みは、他の地方のそれとは変わりばえはしないし、沿線には『イエス!鷹○クリニック!』的な看板が畑の真ん中にガッツリ建っていたりする。『ななつ星』の車体は美しいだろうが、そんな中をひた走るわけで、僕にはリピーターがつくとは考えづらい。

   今回の工業デザイナーである水戸岡鋭治氏は、多くのJR車両などを手がけてきたデザインの世界では有名なお方であるのは知っている。僕は福岡から宮崎に帰る電車などでそのデザインを見させて頂いた事がある。その車両は『何とかデザイン賞受賞作品』と車両内部にポスターが貼ってあった。だが僕にはその内装の色がケバケバしく、本当に賞とったのかと一緒に乗った友人と話をしたのを覚えている。デザインとは、好き嫌いでそのデザインの善し悪しを決めるのは間違いだというのは分る。だが、シートの色が目に痛く、僕にはなぜ賞をとれたのか理解はできなかった。まあ使い勝手が悪いとは思わなかったので、機能性という点では良いとは思ったが。。

   なので、正直今回の車両をデザインしたのが水戸岡さんと聞いた時は、正直またか。。感が僕にはあった。思うのだが、今回の車両を作るにあたりJRはデザインコンペなどはしたのであろうか?若手でも優秀な工業デザインナーは結構いる。もしデザインコンペをしていたら、もっと洗練された空間デザインができた気が僕にはしている。どうもその内装の和風がちと古くさく感じたし、またオリエント急行に程の格式は感じれない。外観はエエ感じだとは思っているが、もう少し若手にも光を当てるJRであって欲しいと思っている。

   とぼろくそ書きながら、いつかは乗るかもな。。とはぼんやり思っている。電車は嫌いではないからだ。まあ、名前が『いつつ星』とか、も少しマイルドになったりしたらだが。。

   青春18きっぷじゃ、乗れんだろな。。

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それではまた来週!

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