少し前の事、知り合いの小娘(19歳)が電話してきた。京都に買い物に行くらしい。彼女はいわゆる歴女で、若いのに司馬遼太郎マニア。なんせ僕でさえ買ってはいない、週刊・司馬遼太郎を読んでいるイブシ銀なお嬢である。内容は、僕が以前京都に住んでいたので、おすすめの京都のショップを教えてくれとの事だった。なのでココとココは必ず行きなと教えてあげた。すると『モダンな着物探しているんだけど、良い店知らない?』と言ってきた。と言われても僕かて着物はほとんど着たことがないし、モダンと言われても着物のことはよく分らない。確か京都の三条通りと堀川四条に良いのがあったよなとは思ったが、なんせ僕が京都に住んでいたのは5年ほど前の事。既に街並みは変わっているのかも知れないのでよく分らない。ふと思い立ち、『ちょっと待ってて』と電話を切った。そして裏か表かどっちかの千家でお茶習っていて、今では良い友達である元カノ(歴女、伊達政宗の陣羽織を持っている。。)にメールした。すると『京都の着物は任せとき!』と返信して来たので、その元カノの電話番号を小娘に教えてあげた。元カノは普段着が着物なのである。
最近では全く見ないが、僕が幼い頃などは親戚のおばさんらは僕の家で餅つきなどをする時などは、着物を着て手伝いに来てくれていたものだ。また僕のひい婆さんも普段着は着物であったし、僕の婆さんも昔は着物であった。むしろ洋服を着ているのが珍しいくらいであった記憶がある。最近は着物を日常的に着ている女性を見ることはない。だが京都にはまだいるにはいる。僕は以前京都に暮らしていた頃は、1日に最低1人くらいは和装の女性を見ていた。だが見ていたと言ってもその程度であり、京都の人々かて普段から着物を着て生活はしてはいない。やはり銭がかかるからであろうか。
最近、じわりじわりと普段から着物を着る女性が増えてきているようである。僕の周りにはそんな女性はいないが、興味を持っている女性は多いらしく、そんな雑誌をちらほら見る。素晴らしい事ではある。やはり女性が着物を着ていると『かっけ~』と僕などは思ってしまう。また京都などは着物を着ていると、安くなる喫茶店などがあって、その観光に一役買っていると聞く。
すっかり忘れていたのだが、おやつの時間どきに小娘からメールが来た。僕の家の近くのカフェに来てるから遊びに来いとある。ああエエよ~と、その喫茶店に行ったら彼女は着物であった。よく見ると明るく染めていたその髪も黒に染め直していやがる。馬子にも衣装とはよく言ったもので、小娘はすっかり淑女になっていた。そしてその着物はエエ感じのモダンな柄で、頭にはモガ(モダンガールの略称)が被っているような帽子をかぶっていた。話によると元カノがコーディネートしたらしい。小娘は『ハイ、京都のお土産~』と八つ橋をくれた。だがかなり気まずい。そのカフェにはお客さんが結構いて、『モガじゃ~』みたいな視線がキツイし、ビシッとUNIQLOを着こなした僕には今日の小娘は眩しすぎる。よって30分もせんと仕事に戻るからと店を後にした。
店の外に出てふと思った。この小娘は隣町に住んでいて車は持っていない。『あんたココまでどうやって来たん?』と聞くと『カブで♡』とあっさり答えた。『へっ。。カブってあのHONDAの?』と聞くと『そうだよ~』と小娘は言った。『おいおい、裾がハダけて股ぐらパッカパカになるんじゃねぇ?』と小娘に聞くと、『ほら♡』と裾をめくった。ビビリながら股ぐらを見ると、小娘はお父さんの股引をはいていた。小娘が言うには元カノが教えたらしい。。その後、小娘は国道10号線をカブに乗って去って行った。さぞかし対向車線を走る人々はびびったであろう。。
すぐに元カノにメールした。
『股引ではなく袴(はかま)でしょうが!』
すると元カノは
『だってその方が殿方は好きでしょ♡』
と返してきた。
う~ん。。君は正しい事を言っている。。
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2013年10月16日水曜日
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