2013年10月24日木曜日

鉛筆に対する愛を淡々と書く

   家を設計する僕は、日なが一日中パソコンの前に座り図面を書く。だが最近は可能であるかぎり、図面は手書きで書くようにしている。ずっとマウスをさわってお仕事するので、右手の腱鞘炎が酷くなってきたのもあるし、手書きの方が圧倒的に早いからでもある。それにその方が図面に味が出るので意外と依頼者さんに設計意図が伝わりやすいものだからだ。もちろん最終的にはCADで仕上げるのだが、基本設計の初めはそれぐらいでちょうど良いと思っている。ここでい言う基本設計とは、家の間取り図や立面図、そして断面図、そして場合によりパースまでを含める。これらの図面は依頼者が気に入らなければすぐにボツとなり、お蔵入りする事が多い。よってボツになる度に、はじめから図面を書き直す必要があり、その度にパソコンで図面を書くのは時間の無駄である。よって手書きの方が設計料を抑える意味合いもある。


   だが困った事に僕は字がお世辞にも上手いとは言えない。正確に言えばよく他人には『すごい達筆だね~』と褒められる。だがすぐに『でも何かいているのか分らない。。』と言われてしまう。若い頃などは字は人を表すなどと言われ続けたので、それなりに字の練習はしたのだが、その後アメリカに留学し、アホらしくなって辞めた。彼の国では字がお上手でもあまり意味はないからである。と言うのもアメリカは人種の坩堝(るつぼ)なので、字の書き方に違いがありすぎる。よってお上手な見本と言う物が成り立たない。なのでなおさら僕の字は下手になってしまった。。


   僕は最近は鉛筆で物を書くようにしている。以前はシャープペンシルを使っていたのだが、肩と手がこるので辞めた。どうも僕の筆圧は軽いのだが、持ち方があまりにも斜めなため、すぐにペンの先がとがりすぎて線が太くなる。これがどうも気持ち悪い。一応、UNIさんの『KURU TOGA』(先っぽがクルンクルンするので、常に芯が尖っているタイプ。。普通に持てば。。)を使ってみたのだが、あまりにも僕が斜めにこのペンを持つので全然クルンクルンしない。よって鉛筆を削り削り使っている。


   鉛筆は間違いなく筆記道具の中でも一番経済的であろう。鉛筆に使われている黒鉛(シンの事)は一本で50㎞は線が書けると一般的に言われている。もちろん削るので50㎞はさすがに書けないだろうが、ボールペン1本で1~2㎞ぐらいしか書けないことを考えれば、十分に経済的だ。また一本あたりはどんなに高くても200円はかからないのは嬉しい。もちろん以前にも書いたパーフェクトペンシル(鉛筆に鉛筆削りとキャップ、クリップ、それと消しゴムがついている)などはお高いが、それなりに高機能なのでぶ~ぶ~言うてはならない。

   また鉛筆は多彩な表現が可能なのも嬉しい。普通の人は使わないだろうが、僕らデザイン屋はなどは平気で10Bなどの鉛筆を使う。10Bなどで書いた線は筆で書いたような書く事が可能で、家の植栽などを書くにはちょうど良い。これがシャーペンなどはそれ専用の10Bのシンを探すのは容易なことではないし、それに太い字などの表現はそれ専用の物を買わねばならない。

   鉛筆だけだろうと思うのだが、これほど周辺グッツがある筆記道具もないだろう。例えば鉛筆用キャップ。クリップがついたものもあれば、ダンディーな大人が使いそうな革製の鉛筆キャップだってある。また鉛筆削り一つにしても、鉛筆をくるんくるんするタイプから機械式のやつまであるし、その削り方にも違いがあって面白い。

   ちょっと前に購入した鉛筆立てが最近の僕の中ではどえらいヒットとなった。Margheritaさまの木製鉛筆立てだ。これがかなりエエ感じに僕の机の上で輝いている。このペンスタンドはなんと60㎝の長さがあり、いっぱいいっぱい鉛筆が入るので、いっぱい鉛筆や色鉛筆を持つ僕にはありがたい。またその仕切りは、自分で変更できるのでメモ帳や電卓なども置けて、ガーリー(意味はよく知らん。。)でロハス(もっと知らん。。)な僕にはちょうど良い。

   またこの鉛筆立ては贈答用にもちょうど良い。ホントに使えるからだ。今年から僕の従姉妹の娘が小学校に通いだしたのだが、記念にこの木製鉛筆立てをその娘にあげたら大喜び。母親などは『これ一生使えるじゃん!』などと娘とキャッキャ言っていた。確かに一生使える鉛筆立てなのである。この鉛筆立てを作っているMargheritaさまは、家具屋ではなく設計屋なんだそうだ。そりゃそうだろう。設計屋ほど鉛筆を使う職業もない。


   実は東京には文房具カフェなるものがある。昨年の7月までは僕は東京の練馬区に住んでいたのだが、文房具好きの僕はもちろん知っていたが、結局行かなかった。場所は表参道。なんとなく田舎者の僕には場違いだと思ったからだ。また東京の知り合いがホームインスペクション仲間のおっさんしかおらず、おっさんと一緒にそのフェミニンな空間でコーヒー飲んでいる絵が僕には耐えられなかったからでもある。もっと糸井重里さまのようになってから行こうと思っているカフェである。

   だ~れも、こんな記事を読むとは思わないが、いきおいで書いちゃった。。

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さて、仕事でもするかの~

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