2013年9月11日水曜日

狐と狸が出る神社と、狐狸庵先生の話

   僕の友人(ゲームマニア)はとある中堅クラス?の神社の神官さんをしている。神官の仕事はそれほど儲かる仕事ではない。戦前は公務員であったが今は単なる一宗教の職員であり、この神社のようにさほど流行っていない神社などは経営が厳しい。だがこの神社は昔からの由緒ある神社であるので立地条件は素晴らしく、そしてその鎮守の森も青々していて街の景観に大きく寄与している。言わば街のシンボルとしての神社と言えるだろう。ふと自転車でその神社の敷地の横を走っていたら、なにやらコンクリートブロック塀に水に入ったペットボトルが置いてある。また空き缶に棒を差し、風に煽られさぼしい音を出している。きゃつはゲームのやり過ぎで気でもふれたか?と思い、自転車を脇に止めて友人のいる社務所へ向かった。やっぱりゲームをしていた。

   『そう言うけど、猫とか狐や狸が勝手に入ってきて貰った供物をとって行くんよ』と言っていた。彼は大根とか米とかなにやら言っていた。狐や狸とは実に楽しいじゃないか。。とは思うが、彼もそれで何とか生きている。ぶ~ぶ~言うのは筋違いであるのは確かかも知れない。だが、一方で神社は公共の建築でもある。てめえの食い物を守るために敷地を汚く整えるのは何か筋が違う気もする。その後、彼はなにやら言っていたのだが、僕はうわの空で彼が何言っているかよくわからない。。彼だから別に悪いとは思わないが、狐と狸が話題になったので彼のことを無視して、ふと若い頃読みあさった狐狸庵先生を思い出した。遠藤周作先生の事だ。


   狐狸庵先生という名前は勘違いされやすいが、遠藤周作先生が『こりゃあかんわ。。』という言葉からもじった名前であり、先生が朝鮮半島出身者というわけではない。遠藤周作先生と言えば、やはりキリスト教文学が有名であるので堅苦しいお方と思っていたが、あらどっこい、この狐狸庵先生を読んで先生への見方が変わった。実はハニカミ屋であり悪戯っ子で、人に寛容なおじさまと言ったイメージである。そして人生を実に楽しんでいる気がする。その狐狸庵先生であったと思うが、こんなエピソードがある。

   吉永小百合さんと懇意にしていたらしい狐狸庵先生は、ある日彼女の家に電話した。吉永さん本人が電話に出たようで、狐狸庵先生が『こちらは東京都環境事務所ですが、お宅の汲取り式便所がそろそろ汲取りする時期なのですが、明日お伺いしてよろしいですか?』と言われたそうだ。吉永さんがどんな反応をしたかは分らない。今では若干アウト気味のあるお話である。。こんないい大人はやらないどうでもよい事をして楽しんでいる。そんな本である。ダテにネスカフェのCMの『違いが分る男』に選ばれてはいない。

   『だって供物は俺の晩飯だ!』と友人の神職がぼやいた。なるほどこの神社は流行ってい。なので結婚式などもそれほど来はしない。だが歴史は古いので、少しの改善で素晴らしい神社に変わるのではないかと思いアドバイスはしてあげた。


   少なくともペットボトルは撤去して、もっと美しい動物よけを作る必要があるだろう。例えば風ぐるまや竹の風鈴などが良い。少なくとも和様のデザインでなければしっくり来ないのが神社だろう。もちろん色の配置も考える必要があるだろうし、メンテナンスも必要だろうと思う。メンテナンスは近所の小学生ぐらいに任せとけば良いと思う。風車ぐらいは図工の時間に作ってくれそうだ。そすれば結婚する時は利用してくれるかもしれん。。それにやはり神社にコンクリートブロックは似合わない。。なのでそれに変わる美しい何かをすれば、少しは栄えるだろう。『やり方は教えてあげるから、ゲームばかりせず自分で作れ』と言ってあげた。出来るところは自分でやる。そうすれば、ちったぁ~流行る神社にでもなるだろう。儲けも出ればPS4ぐらい買えるだろう。

   友人は、『確かに言われてみれば。。』と乗り気になってきた。彼はPS4を手に入れるためならがんばるだろう。それに彼は別に好きこのんでこの仕事を始めたのではなく、先祖代々そこの神主さんであったので継いだだけ。なので毎日ぼんやりと日々の仕事をこなしていた。もっと楽しい神社があっても良い気がするし、日本の神様は賑やかなのが大好きだ。そうすればきっと神社は繁栄するだろうし、人の出入りが多くなれば、狐も狸も少なくなるだろう。それにその方が彼も楽しそうだし。

   狐狸庵先生の事をぼ~と考えながら出した案であったが、まあよくも次々とアイデアがでたもんだ。。神主さんも狐狸庵先生のように、少しずる賢くそして人生を楽しまなくてはいけない気がしている。その方が街に良い神社を提供できるとも思う。

   まあ、でまかせだが。。

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まあ、いずれ手がけるつもりです。。
この神社の大改装を。。

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