2014年2月28日金曜日

ブラックバスを痺れさす

  実にけしからん事ではあるが日本の湖などの生態系は、ブラックバスやブルーギルなどの外来種によって荒らされ、絶望的な状況であると言われている。行政も対策に追われ、今までいろんな手立てはやってきてはいる。たとえば、外来種を釣った際のリリースの禁止や、釣った外来種を町などが購入する制度だ。だが外来種がなくなる気配はない。一昨日か、NHKのニュースを見ていると、熊本のある業者さんが、湖やダム湖などにいる日本固有のワカサギなどを、外来種から守るために新たな技術を開発し、県はこれを導入しようと考えているとあった。

  その方法は外来種の駆逐に電極を使うのだという。湖などに浮かべたボートに電極を括(くく)り付け、それをブラックバスなどの外来種がいそうな場所で700ボルトの電流を流すと、魚はしびれ動きが鈍くなる。そこを人間が網ですくうのだという。もちろんしびれるのは外来種だけではなく、固有の種の魚もしびれる。だがしびれるだけあり死にはしない。時間がたてばまた元気に泳ぎだすそうだ。ニュースの中でも実際にダム湖にボートを乗り入れ、県の職員さん?が電流を流していたのだが、体長40㎝越えの大物を含む外来種40匹をすくってらっしゃった。大量である。そもそもこの電極を作ったのは、農業用の電気の柵を作っている業者さんであり、それを応用したのだと開発した業者の社長さんが取材に答えてらっしゃった。実にいい仕事だ。

  今でこそ、ブラックバスなどは特定外来生物指定されさまざまな規制がかかってはいるが、1970年代に魚食性が強いとの理由で、生態系(在来生物層)への影響や、漁業被害が問題視されるようになって漁業調整規則で無許可放流が禁止されるまでは、放流自体はさほど問題にはしてはいなかったようであり、結構そのへんは大らかであったようだ。世界的にもフィッシング用に人気があるブラックバスは、釣り具メーカーや個人、はたまた進駐軍により放流されていたようである。だが固有の種を守る観点からやはり駆逐するべきだろうと思う。これからの熊本の業者さんの活躍に期待をしたいと思う反面、ブラックバス愛好家がいる限り難しいだろうなとも思ったりする。

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