僕は年老いた婆さまと一緒に住んでいる。87歳にもなり(本人は72歳だと思っている)一人で家に留守番をさせるの問題なので、僕はよく婆さまのモリをしながらお仕事をすることがある。今日は両親が近所の爺さんの葬儀であったので、婆さんにソチオリンピックを強引に応援させながら、僕はパソコンをいびっている。先週末であっただろうか、母親に頼まれ婆さんのモリをしながら仕事をしていた。婆さんをぼ~とさせておくのも可哀そうだと、ふとテレビをつけると京都迎賓館の特集をやっていた。以前にも書いたように、京都迎賓館に忍び込もうとした経験のある僕は、この建物にはかなり興味がある(嗚呼、思い出の京都迎賓館も読もう!)なので婆さんと一緒に、仕事そっちのけでその番組に見入ってしまった。今日はこの番組の中でさすがだ!!と僕が思ったことを書こうと思う。
まずは、建築理論的なことを一つ。この建物は木造に見えるが、実は鉄筋コンクリート造である。見えがかりの部分が木で仕上げられているので木造に見えるだけだ。この建物は迎賓館なので、使用目的は外国のVIPの宿泊や『お・も・て・な・し』のためにあわけで、番組でもその計算された『和』の拵(こしら)えが垣間見れた。その中の一つを上げるとすれば、和室と濡れ縁を仕切る襖(ふすま)と軒の出の関係だ。今ではそうとは言えないかもしれないが、昔から日本の襖の高さは大体決まっている。地域によっても若干の違いはあるが、5尺7寸(1727㎜)だ。だが迎賓館はもちろん外国の方々も利用するわけであり、5尺7寸では頭を鴨居にゴツんと打ちかねない。なので迎賓館の襖の高さは2mに設定されてたそうだ。だが2mの高さだと和室に座った時に日本的な意匠である5尺7寸を感じれるかと言えばやはり違う。ではどうしているかと言えば、座った位置から見える軒の出のラインを、本来の襖の高さである5尺7寸のラインまで押し出しているそうだ。つまり座った位置から見える庭の景色は本来の和室と同じという事だ。
また、庭も良かった。このお庭を作った方は、16第佐野 籐右衛門というお方。天保3年より続く、京都嵯峨野の庭師さんだ。名前からして美しい庭を作っているのはわかると思うが、僕が素晴らしいと思ったのはその庭に対する姿勢だ。使っている花々はもちろん日本に昔からある和花である。一見どこにでもある小さな野花を効果的に庭に配してある。これが実にけなげで美しい。そしてこの庭師さんが言われていたのが、『添え』についてである。たとえば迎賓館の庭には枝垂れ桜が一本だけあるのだが、これは桜を使って庭を引き立てるための『添え』であるそうだ。また石柱なども庭を引き立てるための『添え』そんな仕組みがたくさんこの庭にはちりばめてある。また落ちた松の葉をピンセットで拾っているあたりさすが京都だとも思ったりした。
最近、和風の家を頼まれることが多くなってきた。僕は設計屋なので、和風の家の研究はしている。なので軒の出の長さなどはちょっとだけだが、こだわりの寸法を持っているつもりだ。だがさすが庭は専門家ほどの知識はない。ましてや16代目○○衛門的な方には足元にも及ばない。僕が京都に住んでいて家を作っているならこの棟梁にお願いもできるだろうが、やはり宮崎では難しい。元暴走族の庭師である、2代目黒木さんなら知っているんだが。。
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宮崎で知っている方は教えて頂けたらありがたいです。
2014年2月18日火曜日
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