2014年2月6日木曜日

既存住宅買うときには、瑕疵担保保険がつけれます!!

  僕は設計事務所に所属している。一般的に設計事務所と言えば、年がら年中建物の設計をしている図面屋さんといったイメージであるが、建物の調査もその仕事の範疇だ。建物の調査にもいろいろあり、耐震診断や、住宅の施工状況や現況状況を依頼者に報告するインスペクションなどがある。また今年の初めから既存住宅の瑕疵担保保険という商品が出てきたので、そのためのインスペクションなどもある。今日はこの既存住宅の瑕疵担保保険について少し説明しようと思う。

  一般的な話をさせてもらえば、既存住宅の購入にはいろんなリスクがある。だが現在の既存住宅を不動産業者さんの仲介などで購入する場合、買主に与えられる購入予定住宅の情報と言えば、住所とその建物の築年数。またオール電化か否か、浄化槽や駐車場の有無。まあそんなところだろうか。その与えられる情報には、建物の構造体に問題(作られた年によっては法律が違うので注意)はあるか?また雨水の浸入があるのか?シロアリの有無や、実際に住んだ時にその土地柄からくる諸問題(水害など)などの情報は含まれていないのが現状である。これらの状況を依頼者に説明するためにインスペクションがあり、また買主が実際に住んでから起きた保険事故(構造体力上主要な部分が耐力性能を満たさない場合、又は、雨水の浸入を防ぐ部分がその防水性のを満たさない場合)に対して実際にかかった補修費用を出すのが既存住宅瑕疵担保保険だ。

  既存住宅瑕疵担保保険の流れはこうだ。既存住宅瑕疵担保保険に加入するためには、まずは保険に入れるかどうかの建物調査が義務づけられている。その調査の時にその建物が保険に入れるかどうかを僕らが確認する。調査の範囲などは僕らがやるホームインスペクションなどと比べたらそれほど多くないが、ほぼ同じことをやるので、僕は同時にかけることをお勧めしている。ちなみに費用はさほど変わりはしない。僕らが調査した後に、保険会社の調査も入っての瑕疵担保契約となり、僕らの方から保証書を発行する。そしてその建物の買主が住んでから保険事故が起きた場合、保険会社から金銭的なサポートを受けて調査会社である僕らが保険事故の補修費用や①修補費用②仮住居費用・転居費用③損害調査費用④求償権保全費用⑤争訟費用を支払う事となる。全体的な調査費用は、実はまだ決まってはいないが、10~15万ぐらいが相場のようである

  だが困ったことに、今年の初めから本格運用されだした保険ではあるのだが、すでに問題行動をとってらっしゃる業者もいるようで、僕のインスペクション仲間とは話題になっている。僕らの業界から一番嫌われるのが、お手盛り診断と呼ばれるものだ。これは雇用関係や主従関係のある関係先、たとえばいつも設計などの依頼を受けている業者から頼まれてインスペクションを行う場合などを言う。僕の場合、仮に以前勤めていた工務店のインスペクションを頼まれた場合は、必ずお断りしている。そうでなければ『よいしょ』をしかねないからだ。知り合いが、梁に開けてはいけない場所に穴を開けてるのを発見して、『問題です』と言えるかと言えばだいぶ疑問だろう。そんなインスペクションをやられると、まじめにインスペクションをやっているこちらの信用もガタ落ちなので、とても困ってしまう。。実際にやられている業者さんには注意した方が良い。

  また、ある損害保険業者も新しい市場なので儲かると思ったのか、僕らのような資格もちの人間にパンフレットを一斉送信しているのだが、そのパンフレットには、『リフォーム工事につながります!!』みたいなうたい文句が入っててビビった。。その保険会社がやっている講習でも『リフォーム工事受注に有利ですよ!!』などと言って回っているらしい。既存住宅瑕疵担保保険もインスペクションの一種であるが、インスペクションは第三者性がとても重要であり、どう考えても保険屋がそれを言ってはいけないのだと思うし、薦めるべきことではないんだが。。

  僕は過去に結構な数のインスペクションをかけてきた。少なくとも九州では数だけ言えばだいぶ上位に来るのだと自負はしている。ちなみに宮崎県では県北では僕だけであるらしい。。まあ、県北と言っも会社が県北にあるだけで、住んでるのは中部なので宮崎県全体はやろうと思っているし、車があるんで西日本全体でやっていこうとは思っている。この既存住宅瑕疵担保保険は始まったばかりだが、これから力を入れていこうとは思っている。

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