2013年12月16日月曜日

訛(なま)る天気予報を愛している

  今日は宮崎の人にしか分らない事を書こうと思う。宮崎以外の人にはごめんなさい。

  僕は大体夕方になると仕事をいったん打ち切り、お風呂に水を入れ、薪に火をくべる。そして我が家の神様や仏間からお供え物をおろし、そして洗濯物を取り入れる。そして母親が晩ご飯を作るまでの間、目を離すとすぐに外出したがるファンキーな婆さんの世話をする。その婆さんの世話をしている間は、婆さんと一緒にテレビを見ている。

  自慢じゃないが宮崎には民放のテレビ局は2社しかない。一つはFNNとANNとNNNの、日本で唯一のクロスネット局(簡単に言うとフジと日テレと朝日が見れるという事)であるテレビ宮崎(UMK)と、もう一つはMRT宮崎放送さんである。僕は大抵婆さんの世話をする際はNHKさんを見ることにしている。どうも僕には民法テレビのCMがうざったらしいからだ。

  僕が地味に楽しみにしているのはNHK宮崎の天気予報『空みてん』である。宮崎以外の方のために書くとすれば、”みてん”とは”見てごらん”という意味。他の地方のNHKとも同じように、単に宮崎の明日の天気予報を流すだけであるのだが、どうもこの『空みてん』の雰囲気がてげてげ(適当の意味)で素晴らしい。お天気キャスターが自然な(ワザとらしくないと言う意味で)宮崎弁であり、僕などは『こん人、一杯焼酎ヒッかけちょらんじゃろか。。』などと思ってしまう。もちろん天気予報はよくはずれているので、東京育ちのメインキャスターにはよくカラかわれたりしているお天気おじさんだが、僕は予報としては見ていないので別にかまわない。今日ものっけから『雨は降らなかったですね』とからかわれていた。

  だが言っておくが、一応はおじさんかて共通語で喋ろうとしているのは感じとれるのだが、言葉の端々にその隠しきれない宮崎弁がキラリと光っているのである。今日も細かい宮崎弁がなかなか冴えていた。『きょおん(今日の)宮崎は~サみぃ(寒い)かったですね~、でも明日はもっとサみぃ~ですよ~』と言っていた。そして、やる気があるのかどうかは分らないが、大体いつも天気予報は1分ぐらいで終わる。そしていつも通りの天気に関する豆知識や季節ごとの花々などの説明とご歓談となる。

  今日のご歓談は特に素晴らしかった。いつもの様に写真を見ながらお天気おじさんがお話をされる。今日は椎茸の写真が出てきた。『これは椎茸ですね~』とNHKらしく女性キャスターが切り出すと、『これは僕の実家の椎茸で、僕が植えたんですよ~』とお天気おじさんが言うた。ああ、おじさんちが作ったんだと思いながら見ていると、ゆずの写真が出てきた。『これね、苗木を貰ってきたから植えたら、こんなに大きくなりました~』とおじさんが言った。『いろんな物が自分の家でとれて、いいですね~それではまた明日』と女性キャスターが言うて終わった。。おいおい、Facebookじゃないんだぞ。。天気予報よりも自分の作物の紹介の時間が長いじゃないか。。

  その後、いつものようにUMKさんへチャンネルを変える。どうもNHKの訛った天気予報では本当に当たるか心配なんで、しっかりと共通語で説明するUMKの天気予報が見たいからだ。だからといって、この『空みてん』がなくなって欲しいかといえば、そうは思わないし続いて欲しい。宮崎って平和だな~と思える3分間だからだ。

  まあ、宮崎であるからこそできるのであり、これが都会ならいかんだろうな。。

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さあ、お仕事お仕事。。

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