2014年1月16日木曜日

窓は文化度を測る目安なんだな

  建築設計のお仕事をしていると、必ず立ち止まって考えさせられるのがファザードだ。ファザードとは建物を正面から見た表情のこと。つまり建物の顔の事をいう。もちろん正面とは、その建物が一番よくみられる場所。つまり単に前面道路からであったり、隣地に公園などがあればそこが正面であるのだと思う。そのファザードをどのような表情にするかでその家の評価も全然変わってくるものだ。そのファザードに大きく影響を与えるのが、やはり窓などの開口部だろう。

  窓とはもちろん明かりを取るため、そして空気を入れ替えるために基本的にはある。建築基準法でも、採光率というものがあり、居室の床面積に対して、窓の面積はこれ以上は必要ですという決まりもある。であるので、おのずとその居室から窓の大きさは決まってくる。だが居室がこうだから窓はココね♡、と配置ばかりを考えていれば良い表情が生まれてくるかといえば、違うのかもしれない。やはり窓や窓際の演出が街の景観を美しくするためにも必要なのだと思う。

  僕は妄想でしか行った事はないのだが、スイスやドイツの古い家々には、窓際に花が生けてあるイメージがある。バルコニー等の花は外部から見ても、部屋の中から見ても魅力的な演出だろうと思う。こんな演出があるからこそファザードは美しく、街が美しく見えるわけで、ツール・ド・フランスなどでも自転車で走りたくなるし、ジグソーパズルでも絵になる。

  またあえて演出をするためだけの窓を付けるのもよいのかもしれない。日本の和室には、最近作る人は減ってきたが、床の間という和室を演出するための空間(演出だけでなく光取りでもある)がある。またおしゃれな街を歩くとわかるのだが、お店を気に入ってもらえるような演出をされているところが多い。別に演出だけを大きくする必要はないとは思うが、表情を付ければその家は美しく見えるだろうと思う。まだほかにも暖色系の明かりを入れる、外壁の色を考える。そういった演出をファザードに施すことによりその家だけではなく、街の表情も美しくなるのではないだろうかと思う。

  以前、『窓はインテリアであり、エクステリアでもある』とYKKさんがテレビで言っていた。さすがYKKさんだ。まさに窓ひとつとっても街の表情は変わってくるものだ。

  バルコニーを布団や洗濯物でカラフルに演出している我が町のマンションを見て、そう思ったりした。

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